このブログは、箱根駅伝に出場し、実業団ランナーとなった私が、15年以上の陸上人生を振り返る思い出ブログです。
今回の記事は私が中学1年生の夏休み、初めて県内の合同合宿に参加した時の練習の様子や、初めての合同合宿で印象に残っている出来事を書いています。
中学生が集まる合同合宿の雰囲気を知ってもらえればと思いますし、陸上経験者なら共感してもらえる部分も多いのではと思います。
ぜひご覧ください!
練習内容とその様子
夏休みの後半に、県内での有力な指導者(見た目がボストロールのような先生)が主催する夏合宿にチームから10名で参加し、合宿には総勢60名の男子中学生ランナーが参加していました。
合宿参加時の様子はこちらに書いているので、ぜひご覧ください。
https://runners-aidstation.com/memory-21/
ビルドアップ走
そもそも、夏という時期は長距離ランナーにとって、トラックレースから駅伝への移行期となります。
どちらかというと、スピードよりも走り込みの時期で、質より量の時期となります。
今回の合宿では、県駅伝のコースを合宿地としており、練習しながら駅伝コースの試走もできるようになっていました。
合宿地に到着した日の午後練習は、10kmのコース走+流し(ダッシュ)×数本というメニューでした。
選手の持ちタイムでA~Dの4つのグループが作られ、各グループごとに設定ペースが言い渡されました。
グループ間で多少の差はありますが、およそ1km4分ペースから徐々に上げていくビルドアップ走となっています。
合宿を通して、午後練習は毎回こんな感じのコース走でしたね。
私は3000mを10分前後の選手が集まるBグループで走り始めました。
当時中学1年生で1500m4分30秒台のベストを持っていた私には、1km4分程度はそこそこキツく、駅伝コースはアップダウンもある事からハードな練習です。
コースの折り返しでは、前を行くAグループ、後ろを走るCグループを見ながら、
グループ間の距離を見て大体のペースを測ったり、各グループに散らばったチームメイトは離れていないか確認もしたりしてましたね。
練習も終盤に差し掛かった頃、同じグループで離れる選手が出てきました。
結構アップダウンの多いコースなので、離れる選手がいても仕方がないと思いつつ、先生たちがいる前を集団が通過していきました。
すると急に、
「離れるな!前に着いていけ!!」
と、合宿を主催したボストロール先生が大声を出していたのです。
(ビックリした〜あの先生怖えぇぇ〜!!)
こういう合同合宿の時、各先生は自分の学校の選手が離れていれば声を掛けますが、先生によって声の掛け方は様々です。
ボストロール先生、自分の学校の選手が離れていたようで、怒声のような声掛けをしていました。さすが毎年県内で上位に入る学校の先生、厳しそう…
やっぱり初めて会う先生の怒鳴っている姿を見ると怖いですね。
こんな時、自分が怒られてる訳じゃないですが、もし離れたらあの先生に怒られるかも、そんな気持ちになって普段より緊張感マシマシだったのを覚えています。
基本的には各選手ある程度自分のレベルに合わせたグループ選びをしていますが、
強豪校では自分の実力以上のグループに入る事で、先生に対してやる気をアピールする、そんな文化もあったりします。
強豪校には、自分の実力よりも少し上のグループを選ばないと「意識が低い!」的な理由で怒られる、そんなことも結構ありますからね。
もしかしたら離れた選手にもそんな背景があったりと推測してみたり…
私はこういった合同合宿で、怖い先生の怒鳴り声を聞いて(あの先生の生徒じゃなくて良かった…)と思うことがちょいちょいあります。いくら怒鳴られてもしんどくて離れることはいくらでもありますから。
ちなみに強豪校で先生に対してやる気をアピールする方法には、他の形もあります。
それは集団を先頭で引っ張る事です。
今回の合宿では、各グループの集団の先頭は立候補制だったため、基本的に力を持った上級生が先頭を走りますが、集団の先頭に立つことでやる気をアピールすることもあります。
先頭の選手が合同合宿だからと普段より意気込んだり、知らない選手たちを引っ張る緊張感もあったりで、設定ペースよりも速くなる事もあります。
この話は平成中頃の話なので、GPS付の時計なんてありません。
途中で先生がタイムを伝えてくれますが、集団の先頭を走る人によって大きくペースが異なったりします。
先頭の選手によっては、下のグループが上のグループよりも速い時もありました。
確かにこの時の練習でも、だんだんCグループ近づいてるような気が…。
また、県駅伝コースは起伏もあり、引っ張る選手によっては上りでペースアップする人もいたりします。
上りが苦手な私にとってはホントやめてほしい…
ただ、こういう練習時の走りを見て、この選手上りに向いてるな!とか、この子はこの区間に配置かな?とか分かってくるものです。
しんどいビルドアップ走練習でしたが、私は集団から離れることなく走り終えました。
ペアを組んでの流し5本
集団走が終わったら、宿舎である青少年自然の家にあるグラウンドで流し(ダッシュ)を行います。
約150m程の距離を5本走るメニューでした。
この時、同じグループ内の他校の選手とペアを組んで流しをします。
他校の選手とダッシュをする事で競わせる、そんな狙いがあるのでしょう。
実際に競馬の調教でも併せ馬というものがあり、2頭以上の馬を並んで走らせることで闘争心を掻き立てる効果があるようです。
加えて、グラウンド上を多くの選手が順番にダッシュしていきますが、これは多くの人に見られている状態でもあります。
この環境が試合に近いような感覚となって、めちゃくちゃ頑張りましたね!確かに闘争心搔き立てられます。
先生はもちろん先輩や同級生にも見られていることから負けないように全力で走るんですが、これは他校の選手も同じです。
普段の練習とは違う緊張感の中、全速力で流し5本をやったので、質の高い練習ができていたと思います。
こうして初日の練習が終わったのでした。
合宿初日終了!!
グラウンドから引き上げてすぐ、お風呂に入り晩御飯を食べます。
やはりここは青少年自然の家なので大人数でも問題ありません。
まるで小学校の時に校外学習で宿泊した時のような気分です。
夕食は学校ごとに固まって食べる事になっていました。
練習中は各グループに散らばっていたこともあり、チームメイトに囲まれた食事はすごくホッとした覚えがあります。
何よりも練習中の緊張感から解放されたこともあり、余計にリラックスできた気がします。
食事の場は、各グループでの出来事を話し合う場でもありました。
「Bグループの離れた選手に怒鳴ってた先生、めっちゃ怖かったよな!」
「分かる!Cグループにまで聞こえてきた」
「そういや、Cグループのお前の隣に走ってた選手、変わったフォームだよな」
「変な走り方だけど、流しはめちゃくちゃ速かったなぁ」
「てか、今日のCグループ、ペース速くなかったですか?」
「先頭のやつ、全然ペース落とさないもん。キツかったわ〜」
「あいつペース感覚無さそう。明日は俺が先頭引っ張るわ!」
「「「先輩、お願いします!!!」」」
なんて話しを聞きながら、それぞれのグループでいろいろなことがあったことを知ります。
寝る時は大広間に布団を敷き詰めて、大人数が1つの部屋で寝ることになります。
繊細な人はなかなか寝れなさそうな環境ですが、私はあまり気にせず寝れる方だと思います。合宿では練習の疲れもあってすぐに寝れましたね。
大広間に敷き詰められた布団を見ると大規模な枕投げ大会でも始めたくなりますが、翌日も朝練習で早く起きなければなりません。
21時30分には大広間は消灯し、合宿の初日を終えました。
朝練習スタート!!
翌朝6時頃、先生が大広間の電気をつけ一斉に起床となります。
起床時の動きは人によって様々で、普段見るとことないチームメイトの姿を見れることが面白いですね。合宿ならではです。
私は朝がめちゃくちゃ弱いわけでもありませんが、まだ布団の中でもぞもぞしてる人もいれば、もう動き出して姿が見えない人もいます。
キャプテンはすぐに着替えてグラウンドに向かっていました。この辺りは想像通りでさすがだなって感じです。
普段はうるさい先輩が朝弱いことを知ると、なんか弱みを握った気分になります。今度いじってやろうかなと。
中学生が50~60人集まって朝練習となれば、誰か一人くらい寝坊しそうなものですが、大広間での一斉起床は周りの人が起きるので、その物音で嫌でも起きてしまいます。
これなら寝坊の心配も無く安心ですね。先生側も生徒を管理しやすく、寝坊も防げますから。
朝練習は8kmのコースジョグでした。これが当時の私にとってインパクトが大きかった!
と言うのも、普段学校での朝練習は毎日5km走ることが習慣だったからです。8kmという距離は、当時の私の中では結構長めに走る、メイン練習的な距離に感じていました。
それを朝練習で走らされるとは、さすが合同合宿って感じです!
朝起きてすぐ憂鬱にさせられます…
朝練習のスタート時間までに、各校で体操を済ませることになっていました。
私がグラウンドに出た時、ボストロール先生の生徒たちは、すでに全員集まって体操をしていたのです。
やはり県駅伝の上位常連校、起きてからの行動が早い!
強豪校のように毎年合宿をしていると、朝練習時は早く集合するといった動きが、過去の先輩たちから引き継がれていくものです。こんな細かい動き1つでも強豪校の伝統として意外と残っていきますからね。
当時の私は「さすが強豪校、すごいな!」という気持ちよりも「朝ゆっくり出来なくてかわいそう…」の方が強かったですが…
朝練習も、各グループに分かれて集団走です。
朝はそこまで速くないペースなので離れる心配はありません。
淡々と8kmを走り終え、朝練習終了です。
この合宿では朝は8km、午後12kmほど走るメニューとなっています。
つまり、1日で20kmを走ることになっています。
1日20kmというのが中学生にはなかなかキツい!
しかも当時中学1年で陸上競技歴5ヶ月程度なので、これまでの人生で走った事の無い走行距離だったのです。
3泊4日の合宿だったから良かったものの、これが1週間なら無理だったんじゃないかと思います。
逆に言えば、中学生がなんとかやり切れる練習量に設定されていたとも言えますね。
短期間の夏合宿ですが、合宿が終わった時はとても達成感があり、レベルアップ出来た感覚がありました!
この合宿では、朝練習から午後練習までは時間が空いていますが、お昼ご飯前の午前中にも全体集合することになっていました。
この午前中に何をするかと言うと、合同合宿ならではの長距離ランナー向け講習会が開催されたのです。
次回は、この講習会で学んだことや、合同合宿ならではの出来事などを書いていきたいと思います。