中学校陸上部に入部してから1か月以上が経過し、初めての公式大会の日を迎えました。
15年以上にも及ぶ私の陸上人生の初戦となった、市内の陸上大会のお話です。
待機場所の確保!
1か月以上陸上部で練習を継続したことで、入部当初に比べると、練習後の体の疲労は大きく軽減されていました。
確実に入部時よりも体力がついた実感が出てきた6月の初旬頃、市内の陸上大会の日がやってきました。
会場は、これまでに何度となく利用した市内の陸上競技場、陸上部員が集団となって、自転車で陸上競技場に向かいます。
競技場に到着後、各中学校はそれぞれ待機場所となる拠点を構え、ブルーシートを敷いてカバンを並べています。
私たち中学校も競技場の屋根がある場所に拠点を構えました。
陸上部経験者ならこの流れは分かると思いますが、陸上大会は1日から数日間に渡り、開催されます。
今回のような市内大会規模なら、1日を通して陸上大会が行われます。
例として、関東中学生陸上大会のトラック種目のタイムテーブルを掲載したのでご覧ください↓
(2日間開催の2日目のタイムスケジュールです)

ご覧の通り、早朝から長い時には夕方頃まで陸上大会が実施されます。
自分の試合時間に合わせて会場に向かうのではなく、中学生は安全上集団でまとまって競技場まで移動するため、大会日当日は朝から夕方まで競技場で過ごすことになります。
野球やサッカーのように、試合時間に会場で試合して、終わればすぐ帰るわけではありません。
自分の試合時間までは、待機場所でのんびりしたり、他の部員が出場すれば応援したり、いろんな種目を観戦したりするので、日差しや雨風が防げる快適な待機場所は必要不可欠です。
当時は携帯もスマホも持っていません。よく競技場で1日中過ごしてたなぁと思いますが、いろんな種目を観戦できたり、待機場所で先輩や同級生としゃべって過ごしていたので、軽い遠足気分でもありました。
出場種目は1500m
先ほど掲載したタイムテーブルには、学年という列があります。

中学生という成長期にあっては、学年が違えば競技力の差は顕著です。ましてや陸上部入部直後の中学1年生は先輩と走っても太刀打ちできません。
そのため、中学1年生だけで出場する枠があります。
中学生の陸上長距離種目は、800m・1500m・3000mがありますが、この時期の中学1年生が出場できる長距離種目は1500mに限られます。
つまり、今日の市内大会は、長距離の同級生全員で1500mに出場となります。
少し付け加えると、100mはしっかり各学年ごとに分かれて競技が実施されています。
共通というのは2年生と3年生が一緒になって出場するものです。
種目によって学年分けに違いが出るのも面白いですが、陸上競技の花形である100mは、出場する選手が非常に多いこともあって、細かく分けられています。
本日の作戦は…
レース時間が近くなってきたのでウォーミングアップを始めます。
初の公式戦は、市内で正式に1番を証明できる絶好の機会であり、気合が入ってました。
絶対に1番を獲ろうという気持ちの半面、勝たなければというプレッシャーも少なからずあり、不安も抱えていました。
小学校の駅伝大会でも、市内の合同練習会でも同級生相手に勝てていたのに、今日の公式戦で勝たなければ意味がなくなると思っていたのです。
そんな中、顧問の先生や先輩、同級生からも声を掛けてもらい、期待を裏切るのがすごく嫌で絶対に勝たなければと意気込んでいました。
そして、過去の1000mのタイムトライアルのことを思い出します。
前半は勢いよく先輩についていったものの、後半バテバテになり、追い抜いてくる選手に少しも対応出来なかった。このことがめちゃくちゃ頭に残っていました。
これまでのように勢い任せで飛び出せば後半バテバテになる、そんな状態で後続に追いつかれた場合、ラスト勝負で負けてしまうことは身をもって感じました。
今日走るレースは、これまでより長い1500mです。今日のレースで勝つためにはペース配分が大事だと考えてました。
では、ラスト勝負に備えて待機しとけば良いかというと、そうも思いませんでした。これまで市内の同級生相手に長距離走で負けていないのに、短距離勝負に持ち込むことはリスクでしかないと思ったのです。
結論としては、最後まで失速しない、走り切れるペース配分で走ろうと思ったのです!
何を当たり前のこと言ってんだって感じですね。これでも当時中学1年生の頭でプレッシャーを感じる中、必死に考えた結果です。
そして、1500mを走り切れるペースとして目標としたのが、1000mタイムトライアルで走った3分20秒というタイムです。
レースの距離は1.5倍に伸びたものの、タイムトライアルの終盤は大きく失速したこと、あれから時間も経って成長してるだろうという希望的観測も含め、1000mを3分20秒ペースなら1500mまでもつだろうと考えたのです。
今日の作戦は、1000mを3分20秒ペース、つまり100mを20秒ペースで走りながら、ラスト1周になって余裕があればスパートする!これで行こうと決めました。
人生初の1500m
1500mは400mトラックを3周と4分の3走ります。つまりスタートラインは100mスタートのちょうど反対側となります。
陸上競技のトラック種目にはいろんな種目がありますが、オリンピックや世界陸上などで実施される公式種目の中で、ここからスタートする種目は1500mしかありません。
目の前にはバックストレートの直線が広がり、かつメインスタンドと反対側にいることから、競技場を俯瞰して見ているような気分になれる1500mスタートラインからの景色は、私の陸上人生の中で思い入れのある光景の1つです。
ついに初の公式戦である1500mの初レースがいよいよ始まります。
スタートラインに並び、ピストルの合図とともに飛び出します。
私は一応優勝候補だったこともあって、先頭に難なく立つことができ、レースを牽引します。
最初のスタートはやや興奮気味で早めに走ったものの、100mを過ぎてから、レース前のプランを思い出します。
「100m20秒、100m20秒」
これを頭の中に唱えて、いつもならかっ飛ばしてるところを、若干抑え気味に余裕を持ちながら走ります。
腕時計なんて持っていない私は、スタートから300m通過したトラックのゴール地点に設置されているタイマーを見て通過タイムを確認します。
タイムは1分を少し切るタイム。
100m20秒よりは若干速いが、スタート時の勢いを考えればほぼ予定通りのタイム、このペースを終盤まで維持することに努めました。
加えて場内アナウンスでは、トラックを1周走るごとにラップタイムを読み上げてくれます。先頭を走っているため1周ごとのラップタイムを把握することが出来ました。
つまり、このレースでタイムを確認できるポイントは、ゴール地点に設置されているタイマーと、400mごとの場内アナウンスの2か所です。
視覚から、聴覚から自分の走っているタイムを確認しながら、100m20秒というタイムを目標に走り続けます。
2周目、800mを過ぎた時点で後続の足音は聞こえなくなりました。
このまま走り続ければ1着だ!タイムトライアルの時、後続に次々と抜かれて落ち込んだ気持ちとは真逆で、気分良く走り続けることが出来ました。
それでもラスト1周時点でタイムを確認すると予定より3,4秒遅れており、気づかないうちに失速していたのです。
苦しいながらもラスト1周の鐘が鳴ってスパートします。失速分をラストスパートで何とか取り返そうとダッシュしました。
中学1年生で残り400mからスパートをかけても体力的に持ちませんが、鐘の音と同時に顧問の先生の叫び声にも聞こえる応援の声で体が反応してました。
やや早めのスパートながらも力を振り絞り、最後の直線でも大きく失速せずにゴールまで走り切れました。
最終的にゴールタイムは5分00秒。まさに予定通り、100m20秒ペースで1500mを走り切り、無事1着でゴールできたのです。
この日のレースは、私の陸上人生の中でも忘れがたい大きな成功体験の一つであり、初めて最後まで走り切れたレースとなりました。
決して完走したという意味でなく、ペース配分を考え、急激にラップタイムが落ち込むこともなく、ラストスパートで最後の力を振り絞れる、自分の持てる力をレース全体を通して出し切れたという意味で、初めて最後まで走り切ることができたのです。
レース後、先生からもよくやったと褒めてもらい、私の陸上生活は上々のスタートとなりました。
伸びしろ
レース後、待機場所に戻って先輩たちや一緒に走った同級生たちとレースの事を話します。
先輩たちも私のレースを褒めてくれて、期待通りの結果が出せてホッとしました。
そして一緒に走った同級生たちの走りも見て、「よく粘った」「最初速すぎじゃないか」など、先輩が1年生のレースを見た感想を伝えています。
そんな先輩のレースの感想が私にも飛んできました。
「そういえば、試合もジャガーで走ってんの?」
私たちの中学校では、ジャガーと言われる白い通学靴で登校するのが基本でした。今でも同じ通学靴があるのでしょうか?
厚底シューズが話題になる遠い昔であり、SNSも無ければ、シューズの情報なんて一切入ってきません。
私がシューズに無頓着なのもありますが、入部してからは練習も通学靴で走り続けていました。
「ランニング用のシューズってそんなに変わるんですか?」
知識も無ければ繊細な感覚も持ち合わせていない私は、靴なんて履ければどれも一緒だろうと思い込んでいました。
「全然違うから!一度買って履いてみたら違いが分かるから!」
ホンマかいなと半信半疑だったものの、先輩がこんなに言うんだから本当なんだろうと、今度地元のスポーツ店に行ってランニングシューズを買おうと思いました。
シューズを変えることで、まだまだ伸びしろはありそうです。